映画『国宝』ご覧になりましたか?
歌舞伎の世界を舞台に、愛と芸、
そして人生の選択を描いた壮大な人間ドラマでしたね!
なかでも多くの観客が心を揺さぶられるのが、
春江(高畑充希)が
主人公・喜久雄(吉沢亮)のプロポーズを断り、
俊介(横浜流星)を選ぶという展開。
本記事では、その理由や春江の本心に迫りつつ、
彼女の行動の意味を考察していきます。
*この記事には映画『国宝』の結末や重要な展開に関するネタバレが含まれます。
未鑑賞の方はご注意のうえ、お読みくださいね。
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映画『国宝』簡単なあらすじと主要キャラクター
『国宝』は、長崎の任侠の家に生まれた立花喜久雄が、
父の死をきっかけに歌舞伎の名門・花井家に引き取られ、
女形として芸の道を極めていく一代記です。
喜久雄は、花井家の当主・半二郎(渡辺謙)から
厳しい稽古を受け、同い年の息子・俊介と
切磋琢磨しながら成長していきます。
映画「国宝」素晴らしかった!映画館で観る価値しかない。なんというか「浴びる」感じだった。 pic.twitter.com/Eux9VwY4fg
— 保井崇志 (@_tuck4) June 30, 2025
喜久雄の人生には、
幼なじみの春江が深く関わっています。
春江は長崎時代からの恋人であり、
背中にお揃いの刺青を入れるほど強い絆で結ばれた存在。
彼女は喜久雄を追って大阪へ出て、
水商売で生計を立てながら支え続けます。
一方、俊介は
血筋に恵まれた名門の御曹司でありながら、
喜久雄の才能に苦しみ、やがて自信を失っていきます。
主要キャラクター | 役割・関係性 | 演者 |
---|---|---|
立花喜久雄 | 主人公。任侠の家に生まれ、歌舞伎女形に | 吉沢亮 |
春江 | 喜久雄の幼なじみ・恋人。背中に対の刺青 | 高畑充希 |
花井俊介 | 喜久雄のライバルで名門の御曹司 | 横浜流星 |
花井半二郎 | 歌舞伎の名門当主。俊介の父、喜久雄の師匠 | 渡辺謙 |
この三人の複雑な関係が、
物語の大きなうねりを生み出します。
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春江(高畑充希)と喜久雄(吉沢亮)との関係
春江と喜久雄は、単なる恋人以上の絆で結ばれています。
中学生時代に背中に一緒に刺青を入れるという覚悟を共有し、
春江は喜久雄の人生の節目ごとに寄り添い続けてきました。
彼女は喜久雄を追って大阪まで出て、
夜の仕事をしながら彼を支え、
時には自分の夢や幸せを後回しにしてまで、
彼のために尽くします。
しかし、喜久雄が歌舞伎の世界で頭角を現し、
芸にすべてを捧げるようになるにつれ、
春江は次第に「自分の居場所」を見失っていきます。
彼の心が舞台と芸に向かうほど、
春江は“恋人”や“妻”としてではなく、
“最大の理解者”や“贔屓”としてしか彼のそばにいられない、
という現実に気づき始めるのです。
この関係性の変化が、春江の選択に大きく影響しています。
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喜久雄のプロポーズ場面での春江の本心と葛藤は?
喜久雄が春江にプロポーズした場面は、
物語の中でも特に印象的です。
春江は「私が一番の贔屓になる」と答え、
結婚の申し出をやんわりと断ります。
この時、春江の心には大きな葛藤が
あったのではないでしょうか?
原作を読まずに映画を見たので、
当然プロポーズを受けて結婚するのだと思ってみてました!
なので、断ったことに、なんで?とびっくりしました。
映画では、男女間の心情描写をじっくり入れるには
時間の余裕が無かったのかな?
表情やシーンで読み取ってということでしょうか?
難しいので、また見返したいですね!
ずっと支えてきた喜久雄と結ばれたいという思いがありながらも、
彼が芸の道で頂点を目指す姿を見て、
「自分が妻になれば、人気商売の彼の足を引っ張るかもしれない」と
感じたのかもしれません。
また、春江は喜久雄の“芸への執念”を誰よりも理解していました。
彼の人生にとって、最も大切なのは芸であり、
自分はその舞台を見守る“贔屓”でいることが、
彼のためになる――そう考えた可能性があります。
役者人生を邪魔しないように身を引いたのか?
春江は、喜久雄の役者人生に自分が影響を与えることを恐れ、
あえて身を引く選択をしたと考えます。
「今が一番大事なとき。私がうんと働いて、きくちゃんの一番になる。劇場を建てて、きくちゃんが毎日主役や」と語る春江の言葉には、
彼の夢を一番近くで応援したいという愛情と、
自己犠牲のような覚悟が込められているように思えます。
そんな気持ちが喜久雄もわかっているので、
なぜ断るのかと理由を尋ねず、取り乱しもせず、
春江の言葉を受け止めたように感じました。
一番の贔屓になるという意味は?
春江の「一番の贔屓になる」という言葉は、
単なるファンや支援者という意味ではないと感じました。
それは、表舞台で輝く喜久雄を、
誰よりも近くで見守り、
支え続けるという“覚悟”の表れです。
彼女は「妻」としてではなく、
人生をかけて喜久雄の芸を応援する
“最大の理解者”であり続けることを選んだのでしょう。
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なぜ春江(高畑充希)は俊介(横浜流星)を選んだのか?
春江が俊介を選んだ理由は、
単純な恋愛感情や裏切りでは説明できないと感じます。
最大の要因は、
俊介の“弱さ”と“孤独”に春江が強く共鳴したからでしょうか?
俊介は、名門の御曹司でありながら、
喜久雄の才能に打ちのめされ、
自信を失い、精神的に追い詰められていました。
そんな俊介を見て、
春江は「自分が支えなければ彼は壊れてしまう」と感じたのかもしれません。
まだ映画「国宝」の話。ごめん。本来、喜久雄と結ばれると思われた春江。喜久雄が好きでずっと追いかけて一緒にいた彼女が、なぜ喜久雄のプロポーズもはぐらかし突然舞台途中であの行動に出たのか。そのへんがこの高畑充希さんの言葉を見てわかった。なんか納得した。 映画内で伝わりたかった。#国宝 pic.twitter.com/T7qQFiNqA6
— ドギー本澤 (@doggyhonzawa1) June 16, 2025
俊介が春江のアパートを訪ねた際、
「雨宿り」と言い訳をして、
春江が部屋に招き入れようとしたときの
嬉しそうな俊介の表情が印象的でした。
結局、部屋には上がらず、
顔を見ただけで帰って行くのですが、
春江に話を聞いてほしい、頼りたいのに弱音を吐けない
俊介の心の変化を読み取り、
傷ついている俊介をずっと心配していたのかもしれません。
原作では、俊介は春江のお店に何度も通っていたようです。
映画では端折られているのでわかりにくいのですが、
俊介の人柄や弱さみたいなものを
春江が理解していた可能性もありますし、
信頼関係や、惹かれる何かしらの感情が
あったのかもしれません。

春江にとって喜久雄は「永遠の推し」みたいな存在に変わっていったのかな?
俊介は、そばで支えたい男性という存在?

春江が俊介を選んだのは、
「助けたい・支えたい」と、
母性的な選択をしたという意見もあるみたいです。
『国宝』
— sail (@hysknttnkk) June 16, 2025
実写映画における女性たちの描き方や原作の改変(主に省略)に賛否あるけど、原作を読んだ時はあまり飲み込めなかった春江が俊介と出奔した理由について、高畑充希さん演じる春江を見ていたら何故かすとんと腑に落ちた。席を立ったのは俊ぼんを追ったのと同時に自らの意志で"去った"のだと。 pic.twitter.com/uE49Hg2ntd
さらに、春江が俊介と結婚することで、
結果、梨園の女将という立場を得て、
より近い場所から喜久雄の芸を
見守ることができるという
現実的な側面もありました。
春江が俊介を選んだ理由 | 考察 |
---|---|
俊介の弱さ・孤独を救いたかった | 喜久雄の才能に打ちのめされ、壊れそうな俊介を支える母性的な思い |
喜久雄の芸を守るため | 妻ではなく贔屓・支援者として喜久雄を応援する道を選んだ |
梨園の女将としての現実的な選択 | 歌舞伎界の“内側”から喜久雄を支える立場を得た |
このように、春江の選択は
喜久雄から俊介に乗り換えたという単純なものではなく、
複雑な心情が交錯した結果ではないでしょうか。
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春江の決断は裏切りなのか?
春江の行動は、
単なる「裏切り」や「浮気」とは言い切れません。
彼女は、愛した相手が芸の道で“怪物”と化していく中で、
人間としての弱さを見せた俊介を支える道を選びました。
映画国宝で俊ぼんが出ていく時の春江とのやりとりで呼び止められて最初睨むように春江を見るのだけど包み込むような春江の表情を捉えて弱い部分を見せるような安心しているようななんとも言えない表情が最高な横浜流星。
— だいこん@子ども3人フルタイムワーママ (@daikoonnn) June 17, 2025
一方で、春江は俊介と結婚したことで、
梨園に入ることが出来て、
最後まで喜久雄の芸を見守り続けることになりました。
「一番の特等席で、キクちゃんの芸を見せて」と願い、
実際にその約束を守り抜いたことになります。
このように、春江は喜久雄の“奥さん”には
なれなかったかもしれませんが、
“最大の理解者”であり“最強の支援者”であり続けたことになります。
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まとめ
春江が喜久雄のプロポーズを断り、
俊介を選んだ理由は、
愛や裏切りだけでは語りきれない複雑な人間ドラマにあります。
彼女は喜久雄の芸を誰よりも理解し、
支えるために“妻”ではなく“贔屓”として生きる道を選びました。
また、俊介の弱さと孤独を救いたいという思い、
そして梨園の女将として現実的な選択をしたことも大きな要因です。
春江の決断は、単なる裏切りではなく、
愛と覚悟、そして芸を支える
女の生き方を表したのかもしれません。
この映画を通じて、
愛のかたちや人生の選択について、
改めて深く考えさせられました。
映画『国宝』まだ観賞されていない方は、
ぜひ、楽しんで御覧くださいね。
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